冬の空
「課長・・、先ほど妻が息を引き取りました・・」
残業していた夜、ケータイが鳴った
同僚のRさんの奥様がガンで亡くなった
同僚といっても、およそふた回りも年上の人生の大先輩
僕から見ても、Rさんはかなりやんちゃな人だから
それを支える奥様は相当できた人だったはずだ
奥様にお会いしたのは、2年前の夏祭りだった
焼き鳥の露店の裏側に、白いスーツにサングラス、パナマ帽をかぶった強面の男
どこぞのヤクザかと思ったらRさんだった
「課長、ここの焼き鳥、最高です」
そして、その隣に寄り添う女性が奥様だった
電話の翌日、会社を抜け出してご自宅に挨拶に伺った
明らかに一晩中泣きはらした眼をしたRさんが迎えてくれた
小さな仏様に掌を合わせた
「できるだけのことはしたので、悔いはありません」
言葉とは裏腹に肩を落とすRさんが痛々しかった
今日、これから通夜へ行く