« 擦りガラス | メイン | 世田谷レンズ »

赤窓式

「赤窓式」と呼ばれる写真機を買った。


何で「赤窓式」かというと、ボデーの後ろ側に赤い窓がついているから。
ブローニという、後ろに遮光紙がついたフイルムを使うのだが、
この遮光紙の背面には枚目を表す番号が書かれている。
この赤窓に枚目を表す番号が現れた時に巻き上げるのを止めると、
ちょうど次の露光の位置に合う様になっている。


正しい姿はこんな感じ。


折畳み式で、蛇腹の部分を畳めばこんなにコンパクトになる。


この写真機には、アイデアが満載されており、亜細亜式テクノゲノムを感じさせる。
たとえば、通常、焦点合わせは、レンズのヘリコイドと呼ばれるネジを回してレンズの位置を調節するのが一般的であるが、
この写真機は、逆転の発想で、フイルム面を前後させる仕組みになっている。
右の親指で歯車を回すと、カムが回転して、フイルムの通路が動く。
これによって、折畳み式の蛇腹に複雑なリンケージを組み込む必要がなくなり、
単純で高い精度を維持できるようになっている。

また、この写真機は6cm×6cmの真四角なフォーマットで撮影するようになっているが、
歯車の下にある回転式の扉を閉めることによって、6cm×4.5cmの縦長フォーマットでも撮影できるようになっている。


レンズには"SETAGAYA KOKI" と書かれている。



紺色のビロード張りの箱に入っていて、箱の裏には、ボデーとレンズのシリアルまで書かれている。
この写真機は、「マミヤシックスk型」と呼ばれるもので、昭和29年の発売。
価格は19,500円で、初任給が8,000円くらいの時代だから、かなり高いものだったと思う。

当時の買主はどうやってこの写真機を手にいれたのだろう。
革のケースのやれ具合を見ると、大切にされつつもかなり使い込まれて来たことと思う。
戦後から高度経済成長にかけての怒涛の時代を一生懸命写してきたのかもしれないな。

コメント (2)

biogon35mm:

ブローニー第2弾はいい風合いの1台ですね。たしかにいろいろな人間の営みを見てきたような感じ。箱も大切にされていたんでしょうね。デジカメもビデオもそして充分なお金も無かった頃の映像記録のための宝物。21世紀になって75mmF3.5の瞳はどんな風景を遺すんでしょうか。期待大。

TELEX:

写真て案外シンプルなものだと思うようになりました。アナログが自然のアナロジーだとすれば、ディジタルはアナログのアナロジーに過ぎないのですね。

コメントを投稿

About

2005年10月30日 01:40 の記事

>> 世田谷レンズ

<< 擦りガラス

メインページ

アーカイブページ